- 2025年10月13日
痩せ型の方は、新型コロナワクチンの接種をご検討ください

BMIと新型コロナ感染症の重症度との関連性については、これまでに様々な検討が行われています。(BMIは肥満度の指標で、体重(kg)を身長(m)で2回割った値として算出します。日本ではBMI 18.5未満を痩せ、25以上を肥満と定義しています。)欧米では低体重者の割合が低いため、BMI 18.5未満の低体重者の重症化リスクについてはこれまで十分に検討されていませんでした。
国立健康危機管理研究機構の松下博士らは、日本人の新型コロナ感染者46,291人を対象として、新型コロナ感染症の重症化リスクとBMIとの関連性について検証を行いました。その結果、BMI 18.5未満の低体重者では、新型コロナ感染症の重症化および死亡リスクが2倍以上に上昇することが示されました。(Glob Health Med. 31;7(4) 340-346, 2025.)
これまで、新型コロナワクチンの接種は、体重という観点では、高度肥満者に対して重点的に行われてきましたが、低体重者の優先度を上げる必要があることがこの報告では指摘されています。最近、新型コロナワクチンの接種については消極的な傾向が見られますが、BMIが18.5未満の痩せ型の方については、新型コロナワクチンの接種を検討していただいて良いかもしれません。
