- 2025年7月11日
地域包括ケアシステム:「自分らしい暮らし」とは?

団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に、要介護状態となっても住み慣れた地域で「自分らしい暮らし」を人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」を構築することが課題として提示されてきました。東濃地区を見ると、恵那・瑞浪・土岐・多治見を 1 つの診療圏として、このシステムが形づくられ、現状で、まずまず上手く機能しているように見えます。
それでは「自分らしい暮らし」とはいったいどのようなものなのでしょうか?私たちは「自分らしさとは何か?」という問いかけをしながら日々の生活を送ることは普通ありませんので、身体に何らかの不自由が生じた際に「自分らしさとは何か?」といきなり問われても困ってしまいますね。
Mr. Children の曲の歌詞にこんなのがあります。「あるがままの心で生きられぬ弱さを 誰かのせいにして過ごしている 知らぬ間に築いてた 自分らしさの檻の中でもがいてるなら 僕だってそうなんだ」。「自分らしく生きる」って、結構大変そうですね。
結論として、在宅で療養していただく上では「自分らしく生きる」ことを意識する必要はないように思います。「自分らしい暮らし」とは「自分自身が心地よく感じられる生活環境・周囲の方たちとの関係性」という言葉に置き換えていただくと良いかもしれません。利用者の方とご家族の「自分らしい暮らし」を、私たち(医師・看護師・ケアマネージャー・介護士など多職種)で支えていきます。